サプリメントの正しい摂取方法
サプリメントを摂取する目的は、健康のレベルアップや維持などです。そして、サプリメントは食事を補完するものと健康を支援するものに大別されます。
まず日常の食事で不足しがちなビタミン、ミネラル、必須脂肪酸、ファイトケミカルズ(抗酸化栄養素)を補完するサプリメントをしっかりとり、代謝を改善し、自然治癒能力を高めることが大切です。その後、ハーブなどのサプリメントをとります。まず、食事を補完するための基本栄養素を充実させた上で健康を支援するサプリメントをとらなければ、その効果は半減してしまいます。
いずれにしろ、サプリメントの役割は不足しがちな栄養素の補完と健康の支援です。したがって、毎日の食事と一人一人の体を考慮して摂取すべきです。
サプリメントを1日にどれくらい摂取するのが適切なのかは、パッケージに「1日3粒〜6粒を目安に」といった記載がありますので、基本的にはそれを参考にするとよいと思います。
摂取量の基本は推奨栄養所要ですが、実際には体格や栄養状態が異なっていて一律に推奨栄養所要量を定めるのは非常に難しいです。
推奨栄養所要量(RDA)は、もともと1920年〜1930年代のアメリカで、急性栄養失調を防ぐ目的で、必須栄養素について最低限度必要な摂取量を定めるために作成されたものです。
急性栄養失調とは、くる病(ビタミンDの不足)、壊血病(ビタミンCの不足)などを指し、推奨栄養所要量はこうした急性栄養失調の発症を避けるため、最低限度の必須栄養素の摂取量の目安として定められました。また正常な成長と発育のために必要な栄養基準としても用いられています。
現在、アメリカ政府はすべての食品とサプリメントの表示に推奨栄養所要量を用いるように義務づけ、このことにより、ほとんどの医師と一般の人たちが推奨栄養所要量に注目するようになりました。しかし、栄養補給と生活習慣病との関連性について研究が進められてきた結果、推奨栄養所要量と生活習慣病とはあまり因果関係がないことも判明してきました。生活習慣病の予防や、そのリスクを減らすために必要な栄養素は推奨栄養所要量では補えないかもしれないのです。
ビタミンEを例にとると、アメリカにおける推奨栄養所要量は性別と年齢によって異なりますが、成人は15mgとされています。しかし、医学文献の中には少なくとも100〜300mg(上限量1,000mg)を摂取しなければビタミンEの補給によって健康への効果は得れないとしているものもあります。
これは推奨栄養所要量がアメリカの大部分の人々の健康を維持するために必要な栄養素の量、つまり健康な人の欠乏疾患を予防するためにつくられたものだからと言えるでしょう。
ちなみに日本の場合、2010年度に改定された「日本人の食事摂取基準」(2010年版)で定められた「推奨量」(97%〜98%の人が1日の必要量を満たすと推定される摂取量)と「目安量」(推奨量を算定するのに十分な科学的な根拠が得れない場合に良好な栄養状態を維持するのに十分な量)がその基準になっています。
ただし、推奨栄養所要量に関する考え方、その研究が進むにつれ、時代とともに変わっているし、食生活や人々が暮らす環境そのものが大きく変化しているのだから、その摂取量も変化してきて当然です。「推奨栄養所要量」や日本における「推奨量」「目安量」はあくまで参考基準値であり、当然、個人差があります。なお、耐用上限量が策定されているものは、過剰摂取による健康被害を防ぐために必ず守る必要があります。
サプリメントのとり方は目的、健康維持などによって異なってきます。その補給量は体が実際に必要とする成分や量に合致しなければなりません。
栄養の吸収率はその日の体調や健康の度合いによって異なってきますし、製造方法によっても吸収率がかなり変わってきます。そのため、吸収率についてもあくまで平均値であることを認識しておいて下さい。
基本的に、マルチタイプのサプリメントは食事と一緒にとることで吸収力がより高まります。水溶性ビタミンは、比較的短時間に尿の中に混ざって排泄されるため、一度に多くの量をとっても無駄になってしまいます。少しずつ、数回に分けてとることが望ましいです。
サプリメントは医薬品ではありません。よって摂取のタイミングについては具体的な内容を明記することはできませんが、栄養を補給するサプリメントは食事と一緒にとることがお勧めです。
幼児や高齢者は消化器官の働きが弱いことが多いので、一度にあまり多くとらず、何度かに分けてとるようにして下さい。病気の人は医師などに相談の上、一度に多くとらずに、回数を増やして必ず食べ物と一緒にとることが大切です。
日本ニュートリション協会 サプリメント編より
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