一人っ子がわがままは先入観
依田明氏ら、きょうだいの性格を研究したのは、1960年代から80年代のことでした。
当時は、今よりも2人や3人きょうだいが多かった時代です。
さらに昔の日本は、伝統的に家父長制だったため、「兄は兄らしく」「姉は姉らしく」と育てられるのが普通でしたから、典型的な「きょうだい性格」の人が多かったのでしょう。
しかし、最近は家族構成も現代的に変化し、特にきょうだいの数は減り、一人っ子が増えています。
よく一人っ子は「甘えん坊」「まがまま」と言われますが、それは先入観からくるものです。
「一人っ子=わがまま」と考えるのは、子どもが少ないから親や周囲の大人たちがかわいがり、欲しいものはなんでも与えて、甘やかして育てているはずだと思い込んでいるからです。
一人っ子でも、第一子的な扱いをされた子は、兄、姉的な性格になります。
子どもの性格は「親の接し方」で変わるのです。
今は共働きの親も増え、幼稚園や学校、学童保育など、一人っ子でも幼い頃から集団の中で過ごす時間が長い子もたくさんいます。
このような子は、親だけでなく多くの他者から、さまざまな影響を受けます。
これは一人っ子に限らず、きょうだいがいる子も同じです。
そのため「妹か弟がいそう」と思った人が、末っ子だったり、「お兄さんがいそう」と思った人が第一子だったりということもあるのです。
アメリカで行われた実験からこんな報告もあります。
女子大生に「電気ショックが人体に与える影響を調べる」と称して実験を説明し、不安感を煽ります。
その後、準備が終わるまで別室で待つように指示します。
そのとき、「一人で待つ」「他の被験者と一緒に待つ」「どちらでもいい」の3つの選択を与えました。
そして選択した答えと、被験者のきょうだい関係を調べたところ、第一子と一人っ子の学生の多くが「他の被験者と一緒に待つ」を選んでいました。
この結果から、第一子と一人っ子は親和欲求が高いといわれています。
しかしこれも、育て方次第で変わるかもしれませんね。
※親和欲求
一人になることを嫌い、誰かと一緒にいたいという欲求。会話のときに相手と視線を合わせる回数が多い人は、親和欲求が高いと考えられる。
参考図書:人間関係の心理学/よくわかる心理学
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