水道水

水道水

私自身、東京から富山県に引越ししてきたころ「富山って所は、なんて水のおいしい所なんだろう。」と感動したものです。

 

仕事柄よく富山県の方にも「浄水器を設置されたら良いですよ。」と言うのですが、ほとんどの方は「浄水器の必要なのは、東京、大阪のような都会で富山県のような水のおいしい所は必要ないよ。」って答えます。

 

ここでも「おいしい」と言う言葉が出てきました。どうやらこの「おいしい」という言葉に隠された危険があるようです。

 

日本人は水の良し悪しを「おいしい」「まずい」で決めているのでは・・・

 

では、水は本当に「おいしい」だけで良いのでしょうか?
 
人の体の約60%は水で出来ていると言われています。ましてや体全体を流れる血液の約85%は水です。

 

そんな体の大部分を占める水を「おいしい」とか「まずい」とかで決めて良いのでしょうか?

 

日本は昔から水の豊富な国で、そのおかげで稲作が発達し、長い間稲作中心の社会でした。

 

その歴史があってか、とうやら我々日本人は水に対して無頓着のようです。

 

そろそろ日本人も「おいしい」というキーワードから「安全」にシフトする時代だと思います。

 

では、日本の水は安全なのでしょうか?

 

浄水場では河川等から水にポリ塩化アルミを添加し濁りを凝集沈殿させ、その後砂ろ過し、工程中に何度か塩素にて殺菌消毒しています。

 

この方法は明治に水道ができてから、基本的には変わらず100年以上たった今も、この浄水方法が行われています。

 

しかも、浄水場から家の蛇口までつながっている水道管もかなり老朽化しており、発ガン性物質であるアスベスト環境ホルモンビスフェノールAなどが河川水より高い数値で検出されたそうです。

 

水道ができた明治時代は水道水の原水となる河川や湖が今ほど汚染されておらず水道水の使用量も少ないものでした。

 

しかし、100年以上たった今、水洗トイレ、家庭フロ、洗濯機などの普及により生活廃水が急激に増えたり、ハイテク工場の登場。農薬、森林伐採、酸性雨などあげるとキリのないほどの汚染原因が出現してきました。

 

一方、浄水方法といえば、砂でろ過して塩素で殺菌するという旧態依然とした方法で行っており、近年、病原性大腸菌0−157騒動や埼玉で水道水に混入した、原虫クリプトスポリジウム事件などが発生したが、浄水方法に大きな変化はなく塩素の使用量が全国的に増えたそうです。

 

つまり、塩素の力に頼っているわけです。(なんと!塩素の量はプールの水以上!)

 

その他、水道水から検出されたことのある、発ガン性有機化合物の一例をあげてみる事にしましょう。

 

 

 

塩化メチレン

クロロホルム

ジクロロプロモアニン

ジプロモクロメタン

テトラクロロエチレン

トリクロロエタン

ペンタクロロフェノール

プロモホルム

NIP

CNP

メチルクロロベンゼン

メチルクロロホルム

ジオチルフタレート

スミチオン

ダイアジノン

ベンゼン

ベンツピレン

     

 

これらの物質は常に水道水に含まれていると言うわけではありませんが、実際水道水から検出されたことのある有機化合物の一例です。

 

最近特に問題となっているのがトリハロメタンの発生です。クロロホルムを代表とするトリハロメタンはIARC(国際ガン研究所)では発ガン性の疑いがあるものとして判定しています。

 

どんなに微量でも蓄積していく可能性があり、WHO(世界保健機構)の水質ガイドラインでは、飲料水のトリハロメタン濃度を1Lあたり30μg以下と定めています。

 

この基準ないであれば発ガンのリスクは10万人あたり1人以下に抑えられるそうです。
(えっー!10万人に1人だったらガンになってもいいのかなあ?)

 

このトリハロメタンの濃度基準はアメリカの濃度基準の2倍〜3倍です。では日本はどうでしょう?

 

ほとんどの地域、例えば国内でも水のきれいな県と言われている富山県でさえWHOの基準を超えており、東京、大阪など大都市では、更に上まっています。

 

水道水によってわが国では、何人の人がガンになっている事やら・・・・