タンパク質の重要性

タンパク質の重要性

人の体は水分を除外すると60%がたんぱく質でつくられています。たんぱく質はプロテインとも言い、プロテインの語源はギリシャ語のプロキュース(最も重要なもの)という意味なのです。

 

私たちの体を構成している「筋肉」「皮膚」「髪の毛」「内臓」「爪」そして「骨」に至るまで主成分はたんぱく質なのです。

 

これ以外に「エネルギー」になったり、「酵素」「ホルモン」「抗体」もたんぱく質が関わっています。

 

つまり、人の体はたんぱく質そのものなのです!!

 

私たちの体には、「DNA」という立派な設計図があります。この設計図の言うとおりにたんぱく質は必要な所に必要な分だけ形を変えていきます。「お前は髪になりなさい」「お前は胃になりなさい」という感じです。

 

しかし、どんなに立派な設計図(DNA)を持っていても材料であるたんぱく質が足りないとどうなるでしょー?

 

例えばビルを建設するのに材料が足りないとどうなります?柱が細くなったり、壁が薄くなったり・・・まるで手抜き工事のような体になってしまいます!健康になるわけありませんよね。

 

さて皆さんは、たんぱく質が足りているでしょーか?それでは計算してみましょー!

 

一日に必要なたんぱく質は、体重(g)÷1000といわれています。体重が50kgであれば50g、60kgであれば60gです。50kg以下の方、例えば45kgでも50g必要と考えて下さい。

 

さてあなたは、一日何g必要でしたか?

 

さあー今度は今日の食事内容を思い出してください。食べ物で一番たんぱく質が多いのが肉です。100gで約20g、牛乳1パックで8g、卵1個で6g、豆腐1/3丁で6g、納豆1パックで8g、ごはん一杯で3g、野菜にいたってはゼロです。

 

皆さんは1日の必要量を摂れてましたか?

 

たぶん、殆んどの方は足りないと思います。毎日の食事、これを機会にたんぱく質の量を意識してみては如何でしょうか!

 

「肌が弱い」「髪の毛が傷みやすい」「爪がもろい」などにお悩みの方はたんぱく質が摂れているか食事内容のチェックをされたらよいかと思います。

 

これはかなり大切なことです。なぜなら「肌」「髪」「爪」に症状が現れているということは、大切な内臓や骨、ホルモンや酵素をつくるに至るまでたんぱく質が不足していることになります。是非、チェックしてみてください!

 

あと、たんぱく質は「量」も重要ですが、「質」もかなり重要なのです。

 

私たちは「肉」や「大豆」などを食べると、体に吸収しやすいよう分解します。これを「消化」といっています。

 

たんぱく質は消化されると「アミノ酸」という形に分解されます。人の体は20種類のアミノ酸で作られています。そのうち9種類は体の中で合成できません。

 

つまり、食事で摂るしか方法がないのです。この9種類のアミノ酸のことを「必須アミノ酸」といい、これがバランスよく含まれている食品はたんぱく質の「質」が良い食品となるのです。体にとってこの「質」がかなり重要なのです。

 

私たちの体は、ポ○リ○エットなどCMでもさかんに放送されている通り、約60%は水です。そして残りの半分はたんぱく質です。人の体を乾燥すると(こんな事はできませんが(- -);)体の半分はたんぱく質なのです。たんぱく質はアメーバーから人に至るまで、体の主原料なのです。

 

食べ物に含まれているたんぱく質は消化によってアミノ酸に分解されます。そしてアミノ酸の組み合わせによって、皮膚になったり髪の毛になったり、あるいはホルモンになったりするのです。

 

その組み合わせは、20種類のアミノ酸によって出来ています。20種類のアミノ酸は下記の通りです。

 

*体を作る20種類のアミノ酸
「バリン」、「ロイシン」、「イソロイシン」、アラニン、アルギン、グルタミン、「リジン」、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、システイン、「スレオニン」、「メチオニン」、「ヒスチジン」、「フェニルアラニン」、チロシン、「トリプトファン」、アスパラギン、グリシン、セリン

 

この20種類のアミノ酸の内、体の中で作ることが出来ないアミノ酸が9種類あります。上記のアミノ酸の内、「」で囲んであるのがそうです。

 

「体の中で作ることが出来ない」ということは、「食事で摂らなければならない」ということになりますよね。せっかく、たんぱく質の量を考えて食事を摂っていても、この9種類のアミノ酸が充分な量に達していないと健康な体をつくることは困難なのです。だから「質」が大切なのです!

 

このアミノ酸のバランスは、国際機関(FAO/WHO/UNU)によって定義されています。食べ物から摂らなければならないことから「必須アミノ酸」といわれています。

 

食べ物のアミノ酸バランスは「アミノ酸スコア」といわれ数字で表しています。

 

卵(鶏卵)に含まれているたんぱく質は、アミノ酸スコアが「100」で最もアミノ酸バランスが良いとされています。因みに小麦は「44」、精白米は「65」で最も不足する必須アミノ酸はともにリジンであるといわれています。

 

たんぱく質は「量」だけでなく「質」も意識したいものですね。

 

下記に代表的な食べ物のアミノ酸スコアを書いてみました。

 

*アミノ酸スコア

鶏卵(全卵生) 「100」 牛乳(生乳) 「100」
アジ(生) 「100」 サケ(生) 「100」
アサリ 「81」 木綿豆腐 「82」
ほうれん草 「50」 トマト 「48」
精白米 「65」 小麦粉 「44」
大豆 「86」    

上記の表を見ると「ベジタリアン」の方はアミノ酸不足になることが判りますよね。せっかく体に良いと思い菜食主義を行っていても、「心は体に良いことをしている」と満足していますが、体は「材料(アミノ酸)が足りない」と不満足な状態になります。これでは、バランスが悪いですよね。

 

ベジタリアンの方は、完全な菜食ではなく「卵」ぐらいは摂られたほうが良いと思います。