DNA(核酸)
人の身体的特徴は遺伝子とよばれるものがすべてを決めています。
遺伝子は核酸とよばれる有機化合物が鎖のように長く連なった物質です。
この本体はDNA(デオキシリボ核酸)で体(細胞)の中のDNAは父親から半分と母親から半分を受け継いでいるのです。
つまり、DNAは体の設計図なのです。
DNAは人だけにあるのではなくすべての生物はDNAの遺伝子情報によって作られています。それでは生物の遺伝子情報の大きさ(DNAの長さ:塩基対)はどのくらいなのでしょう?
比較的小さいウイルスでは約4000塩基対です。(400字原稿用紙10枚分)、細菌は約3,000,000塩基対(400字原稿用紙750枚分)。
では、人は?と言うと、な、なんと細菌の1,000倍!約3×10の9乗 塩基対。400字原稿用紙だと750,000枚分なのです。
人というのは本当に複雑なものです。
追記(2001/2/23)
ヒトの遺伝子数がハエのわずか2倍程度しかない事が判りました。
約10万個とも推定されていたヒトの遺伝子が予想外に少ない2万6千〜4万個しかない事に加え、人種が異なる個人の間でも遺伝情報の99.9%が一致していることが、判明しました。
ヒトのゲノム(全遺伝情報)を解読していたセレーラ社のマーク・アダムズ副社長は「遺伝子が個人の特徴や性格を決定するとの見方は間違い。個人差をつくり出す大きな要因は環境かもしれないということが分かった。」と指摘されました。
ヒトゲノムの詳細が明らかになったのは初めてで、病気の原因究明や治療開発につながるだけでなく、生命現象を解明する重要な基礎データとなります。
セレーラ社は今後の課題として「ハエの2倍程度の遺伝子数でどうして人間のように複雑な生物ができるのかが重要な研究課題」と指摘しました。
参考資料:2001年2月11日付北日本新聞
いまさらながら、生命とは本当に不思議なものですネ。