植物油

植物油

成人病の原因の1つに「植物油が大きく関係しているのは、ご存知でしょうか?油の構成成分に脂肪酸があり、大きく分けて3種類あります。

 

1つは飽和脂肪酸で要するに陸上の動物の油です。もう1つは一価不飽和脂肪酸で代表はオレイン酸という油です。さらにもう一つは多価不飽和脂肪酸です。これは植物油にかなりありますし、動物の油にもあります。そして、これが曲者なのです。

 

多価不飽和脂肪酸のうちリノール酸αーリノレン酸アラキドン酸の3つは、人の体にとって必須であり、ビタミンのようにある程度は摂らないと困ります。しかし、摂り過ぎると、どうなるでしょうか?

 

一般的にスーパーマーケットなどで売っている植物油には、リノール酸がかなり入っています。昔からリノール酸はコレステロ−ルを低下させる良い油だと言われてきました。しかし、近年このリノール酸の取りすぎによりさまざまな弊害がわかってきました。

 

その弊害の1つが肥満です。リノ−ル酸は動物の油と同じで皮下に溜まる油なのです。皮下には、柔らかいサラサラの油は溜まりませんが、リノール酸はちょうど限界の固さで皮下に溜まります。

 

それから、炎症とか、ガンとか、アトピーという病気にも深く関係があります。

 

リノール酸を摂るとまず肝臓にいきます。そして、肝臓でゆっくりとですが、アラキドン酸という油に変わります。そして、切り傷ができたとか病気になったという時に局所ホルモンができ出血を止めるために血液を固まらせたり、炎症を起こしたりという働きをします。

 

この局所ホルモンの原料がアラキドン酸なのです。リノール酸を摂り過ぎるとアラキドン酸が大量にでき、それを原料とする局所ホルモンが必要以上にできると、炎症、ガン、アトピーなどの病気になるのです。

 

リノール酸は肝臓で局所ホルモンの原料となるアラキドン酸になりますがこのアラキドン酸からトロンボキサンという物質になり出血の際に血管を収縮させ、その後、血小板をくっつけて血を止めます。

 

ところが、この働きが過剰になるとどうでしょう?正常な血管の中で固まって血栓症とか動脈硬化が起こるのです。脳で血液が固まれば脳血栓、脳梗塞。心臓で固まれば心筋梗塞等が起こります。

 

あと、アレルギーですが、数十年前までは日本人のほとんどの人に寄生虫がいました。

 

寄生虫は腸の中にいる限りは大丈夫なのですが、その虫が重要な臓器に進入し食い破られると、死んでしまう可能性があるわけです。そこで、活躍するのがリノール酸なのです。

 

リノール酸を原料にしてできる局所ホルモンが、臓器に虫が進入した瞬間、危険な活性酸素等を作り出し、臓器から虫を追い出すのです。ところが、今寄生虫が日本人の体内からいなくなりました。そこで、全く戦う必要のない花粉などを寄生虫と間違えて攻撃してアトピーやアレルギーになるのです。

 

リノール酸には多くの害があるわけですが、今の日本人の食生活で植物油を摂らずに生活するのは極めて困難な話です。そこで登場するのがαーリノレン酸EPA、DHAなのです。

 

これらの多価不飽和脂肪酸は、リノール酸からアラキドン酸、局所ホルモンへの流れを抑える作用があり、危険物質の発生を防ぐことができる体にとって非常に良い油と言えるでしょう。

 

EPA・DHAについて

 

エスキモー人(グリーンランド)は欧米人(先進国)と比べ心筋梗塞動脈硬化(循環器系成人病)は1/10以下です。その謎は、魚と肉との食生活の違いであると言われています。アザラシ(海獣)には、エイコサペンタ酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)とよばれる多価不飽和脂肪酸という物質がたくさん含有していることがわかってきました。これが循環器系の成人病(心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化)なりにくい秘密の「カギ」であることが学問的にも確立されました。

 

最後にリノール酸とリノレン酸バランスが重要なのですがリノール酸4に対してαーリノレン酸1がベストです。出来れば普段、料理などにつかっている油をこのバランスのものにされるとよいでしょう。(少し価格が高いですけど・・・)

 

 

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