動脈硬化

動脈硬化

動脈硬化といえば進行すると日本人の3大死因である心疾患及び脳疾患に至る恐ろしい病気です。

 

ところで、「動脈硬化菌」って聞かれたことありますか?

 

ありませんよね!そうです、動脈硬化は菌やウイルスが原因ではなく、ご存知の通り生活習慣病の1つです。

 

と言うことは生活習慣(特に食の習慣)さえ気を付ければ、防ぐことが充分に可能なのです。

 

動脈硬化の最大の要因として脂質の摂りすぎにあると思います。

 

日本人は自分で思っているより多くの脂質を摂っているのです。

 

脂質の多い食品と言えば、トンカツのような揚げ物ですとか、チャーハンのようなアブラを使った炒め物を想像しますよね。

 

しかし、普段あまり脂質だと意識しないものにもアブラは使われています。

 

パンチョコレートクッキーなどの加工食品にも、かなりのアブラ使われております。

 

特に日本は世界的のも食品加工技術のレベルが高く極端にマズイものがありません。

 

しかし、この味を良くするという裏側で、かなりのアブラが使われているのです。

 

そして、さらに要因となるのが酸化したアブラを食べることなのです。

 

ここからは大きな声では言えませんが、日本にある多くのレストラン、居酒屋など外食産業では、少しでも経費を節約する為、何度も同じアブラで揚げていると、よく耳にします。

 

さらに声を小さくして言いますが、揚げスナック菓子に使われているアブラは最低のアブラだと言われています。

 

日ごろから、外食やスナック菓子などは控え、自宅でアブラを使われる場合も、なるべく使い捨てにしたいものです。

 

では栄養についてお話する前に少し動脈硬化についてお話したいと思 います。

 

動脈硬化は、コレステロールと深く関係しております。

 

コレステロールは大きく分けると、LDLーコレステロール(悪玉)とHDLー コレステロール(善玉)に分かれます。

 

肝臓などで作られたコレステロール は血液になじむ為にLDL(低脂肪タンパク)に包まれ全身に運ばれ細胞膜やホルモン等の原料となります。

 

このままではLDLーコレステロールも 体の害にはならないのですが、活性酸素などで酸化されると体のなかで悪さをはじめます。

 

酸化されたLDL−コレステロールは免疫機能の1つであるマクロファージに敵だと判断されます。

 

LDL−コレステロールを敵と判断したマクロファージは無制限にLDL−コレステロールを取り込み血管の 内壁に付着します。

 

これが進行する事により血管が狭くなり動脈硬化進んでいきます。そこで恐ろしいのは、心疾患や脳疾患なのです。

 

心臓や脳は体にとって最も大切な臓器の1つですので、本来とても丈夫にできています。

 

ではなぜ心疾患や脳疾患になる人が多いのでしょうか?

 

体のなかで最も細い血管が集中しているのはどこでしょう。

 

そうです!

 

心臓と脳です。心臓や脳自身が病気になるわけではなく、そこに集中している血管が病気なるのです。

 

であれば、血管及び血液にとって良い栄養素を摂っていれば、ほとんどの場合、動脈硬化を防ぐ事ができるのです。

 

それでは動脈硬化と栄養について具体的にお話したいと思います。

 

動脈硬化の対策に必要なのは、なんと言ってもLDL−コレステロールを酸化させないことが大切です。

 

人の体は抗酸化能力があり、酸化から体を守ることができます。

 

しかし、口から抗酸化に必要な材料が供給されないと、その能力も宝の持ち腐れとなります。

 

まず酸化の大きな原因は活性酸素であり、これを除去する酵素の代表がSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)です。

 

このSODを体内で合成するには「タンパク質」と「亜鉛」「マンガン」「セレン」「銅」などのミネラルが必要です。

 

さらに、抗酸化栄養素として、「カロチン」「ビタミンC」「ビタミンE」も摂られることをお勧めします。

 

つぎに酸化した不必要なコレステロールを体外に排せつすることが必要です。

 

普通不必要なコレステロールは血液中から肝臓に運ばれ、胆汁となって腸に行きます。

 

この時必要なのが、「レシチン」です。「レシチン」の乳化作用によって、うまく血液中から運び出すことができるのです。

 

しかし、せっかく腸内に排出したコレステロールも再び吸収されようとします。これではLDL−コレステロール値は低下しません。

 

そこで必要なのが「食物繊維」です。

 

「食物繊維」(特に水溶性)は腸内の脂肪を吸収して便として排せつする働きがあります。

 

あと、動脈硬化と言えば「コレステロールを下げなければ」と思われますが、それだけを考えるのは危険だと思われます。

 

実際に「コレステロール値の高い方は長生きである。」と言う調査結果が報告されてます。

 

ですから、多少総コレステロール値が高くても活性酸素の対策がしっかりできていて、HDL−コレステロールが多ければ大きな問題は生じないようです。

 

では、何を摂ればHDL−コレステロールが増加するのかをお話したいと思います。

 

まず「ビタミンC」を1日に1000mg〜3000mg程度摂取すると良いようです。

 

また、「ナイアシン(ニコチン酸)」もLDL−コレステロールの減少及び中性脂肪の減少、HDL−コレステロールの増加といった効果があるようです。

 

こうしてみると、やはり健康のキーワードは「栄養のバランス」のようですね。忙しくてバランスの良い食事のできない方サプリメントに頼るのも良でしょう。